千年の時空を越えて






僕に、気付いた彼女の顔が一瞬曇った。




総「っ・・・。」





なんで、そんな顔するの?






すると、彼女は




雪「ただいま戻りました。」




僕は、あんな顔をされた事が、少し腹立たしかった。




本当は、心配した。どういうこと?って聞きたかった。それなのに出てきた言葉は、





総「よく帰って来れましたね。もう、戻って来ないかと思いました。」





だった。




彼女は、その一言で、全て悟ったかのように、





雪「土方様に報告する事がありますので、帰ってきました。」






そう冷たく言うから、僕は、ガッと腕を掴んで歩いた。





心配してたのに、謝りもせずに、そんな風に言う彼女に腹が立った。





歩幅も、いつもの自分の歩幅になってしまっていて、雪を引きずる格好になってしまったが、気付いた時には、もう、土方さんの部屋の前だった。






土方さんに声をかけると、土方さんは、部屋から出てきた。






彼は、鬼の副長という立場上、彼女を疑わないといけない。




冷たい、雰囲気を醸し出していた。



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