千年の時空を越えて
深呼吸をして、部屋に入ると、雪は、眠っていた。
行灯の灯りに揺れて、見る雪の顔は、涙の痕が残っていて、手首は、僕が握った痕が赤くなっていた。
細い首筋も胸辺りも、僕が付けた口づけの痕と、爪の痕が付いていた。
僕は、そっと彼女の手首を撫でる。
総「ごめん・・・。雪・・・。」
丞「そう思うなら、ホレ。」
トンと、塗り薬を置かれた。
僕は、それを受け取り、雪の赤くなった所や傷に塗り込む。
丞「今日は、ここで寝かしとくわ・・・。」
総「うん・・・。」
僕は、部屋を出た。