千年の時空を越えて

雪「まずは、私は、松と言います。あなたは？」


任務の時は、必ず、偽名が基本。


志「志乃（しの）と言います。先ほどは、ありがとうございました。」


雪「いえいえ。全然。ところで、どうして、追っかけられていたんですか？」


そう聞くと、志乃は、泣きながら、隣町の村で畑仕事をしていたら、人さらいに会い、ここまで、連れて来られた事。


年老いた、病気持ちの両親と、幼い、弟妹がいて養わないといけないことを教えてくれた。



雪「そっか。じゃあ、私が身代わりになってあげる。」


志「え？でも・・・。」


雪「大丈夫。私強いし。背格好も同じ位だし。家までの道はわかる？」


志「はい。ここによく、野菜を売りに来てるので。」


雪「じゃあ、私があいつ等、引き付けておくからその間に、逃げて。」


そう言って、お互いの着物を交換した。