千年の時空を越えて
文を書き終え、二人で、屯所へ帰る。
雪が寄って来て、駆け寄り、腕を掴んだ。
雪「山南様!なんで!?私のせいでっ・・・。あの文の意味がっ・・・。んぐっ。」
山南さんが雪の口に手を置く。
山「あれは、久しぶりに笑わせて貰ったよ。僕の意思でココに帰ってきた。君のせいでも何でもない。雪・・・。最後のお願い聞いてくれる?明里を頼みたい。あの子は、身寄りがないから、親元も無いんだ。だから、それだけは少し心配でね。頼めるかな?」
雪は、涙を拭いて、
雪「かしこまりました。」
そう言うと、雪は、屯所を出て行った。
幹部全員、集まった。
近「総長、山南 敬助。局中法度を破り脱走したことにつき、切腹を言い渡す。」
新「そんな・・・。」
全員「・・・。」
山「切腹を命じられ有り難き幸せに御座います。介錯は、総司・・・。お願い出来ますか?」
総「っ・・・。はい・・・。」
皆で、水杯を交わして別れの挨拶が済み皆が出て行った。
山「近藤さん。これを、雪に渡して、もらえますか?」
近「わかった・・・。」
そして、準備が出来た時・・・。
ドンドンドン!
雪がきた。
土「おなごを入れるわけにはいけねぇ。」
すると、大人しくなったとおもったら・・・。
ドカッ。
雪が戸を蹴破って入ってきた。
雪は、山南さんとここへ帰ってきた時に言われた事をお役目だと言い、終了したと報告に来た。
彼女はすぐに出て行った。
山「フフっ。雪・・・。本当にありがとう。悔いも心配ももうないよ・・・。」
そう呟いて、僕に、
山「総司、僕が声をかけるまでは、刀はおろさないで下さい。」
総「はい・・・。」
すると、山南さんは、静かに、小刀を引き出し、下腹へズブッと刺して一文字に引いた。
山「っ・・・。ぐはっ・・・。総司・・・。お願いします。」
バシュ・・・。ゴトン・・・。
近「見事な切腹であった・・・。」