千年の時空を越えて
亡命
私は、以前に田沼さんから貰った、高杉さんの資料に目を通していた。
雪「なるほど・・・。一回、狙われて、刺客が来るのね・・・。」
気を引き締めないと!
私達は、琴平に来た。
高杉「春風・・・。いくらお前の名だとは言っても、自分の諱を呼ぶのは変な感じだ。お前は、なんと呼ばれたい?」
雪「うので良いですよ。」
すると、高杉さんが、ギュッと私を抱きしめた。
雪「ちょっと!高杉様っ!」
高杉「夫婦のフリなら、ジタバタするな。なぁ、うの・・・。俺は、なんで、生き恥を晒してんだろうな・・・。禁門の変があったとき、お前が、あの場に、乗り込んで来なかったら、俺は、きっと、死んでた。俺は、あの時、同志と共に逝く覚悟はあったのに・・・。お前は、あの時、長州には、俺が必要だと言った・・・。この意味は、いつわかるんだ?」
雪「高杉様は、あなたの思うがままに、動かれたら良いのです。あなたは・・・。藩や塾の皆さんの志を継がなくてはいけないのでは?朝敵と呼ばれた、藩主様の復権をされるのではないのですか?」
高杉「確かに、そうだが・・・。」
雪「だったら!高杉先生が頑張らないと!ね?先生!」
高杉「お前と、話していると、果たせる気がするから不思議なものだな。」
果たせますよ・・・。ギリギリであなたの命は尽きるけど、志を受け継いだ人達が、日本を変える。
私は、何も言えず、高杉さんを抱きしめた。
高杉さんは、私の背中に腕を回して抱きしめ返してくれた。
高杉「ところで・・・。」
雪「はい?」
高杉「お前は、いつ、帯を解くんだ?」
雪「はい!?」
高杉「もうだいぶ、待っているが?」
雪「解きません!私には、好いてる人が・・・っ。」
いきなり、キスされた。
高杉「そんな奴は、俺といたら忘れる。」
雪「凄い自信・・・。」
高杉「当たり前だ。俺は、おなごには、優しい。」
雪「ふふっ。面白い人ですね。」
高杉「お前も十分過ぎるほど、面白いおなごだと思うが?」
私達は、夜が更けても、話が尽きなかった。