千年の時空を越えて
私は、高杉さんの所へ行った。
高杉「あぁ・・・。うのか・・・。間者が、逃げたそうだ・・・。」
雪「そうですか・・・。」
高杉「お前は、どこに行ってた?姿を、探しても、どこにもなかった。」
雪「私も、高杉様を探していました。」
高杉「お前が、逃がしたのではないのか?」
雪「いいえ。」
高杉「お前は、限りなく、怪しい。お前を捕らえることも出来るが・・・。俺は、そんな事をしたくない。」
雪「私は、ただ、高杉様をお助けしたかっただけのことです。」
高杉「なぁ・・・。うの・・・。お前は、一体、誰なんだ・・・?俺は、お前のことを、信じていたんだ・・・。俺は、お前のことを・・・。」
雪「高杉様・・・。私は・・・。ただのしがない忍びです。だって、優秀な忍びなら、見つかったり、怪しまれたりなんてしない・・・。」
高杉「だったら、ずっと、俺の側にいろ・・・。いや・・・。いて欲しい。妾という立場には、なってしまうが、お前を身請けしてやる。そうすれば、変な疑いもしなくて済む。」
雪「すみません・・・。私には、好いてる人がいます。」
私は・・・仮の妾だ・・・。
この人とずっと一緒には、居てあげれない・・・。
高杉さんは、私を抱きしめた。
私の耳に唇を付け囁く。
高杉「お前に、刀を向けるのは嫌だ・・・。俺を、受け入れろ。」
雪「高杉様・・・。お気持ちは嬉しく思います。ありがとうございます。でも・・・。どれだけ、疑われていても、疑いを晴らす為だけに、あなたのお側に居ることは、出来ません。」
高杉「・・・行け・・・。」
高杉さんは、ゆっくり私を離して、そう言った。
雪「高杉様・・・。」
高杉「次に・・・。もし、出会ったときは、本当に、運命の巡り合わせだと思う。その時は、俺の前で、帯を解けよ?」
高杉さんは、少し悪戯めいた口調で言った。
雪「ふふっ。はい・・・。」
そして、私は、高杉さんの元を離れた。