千年の時空を越えて
俺は、奇兵隊に入隊した。
そこに入って、一つ思う事がある。
丞「何やねん。ここ・・・。何で皆、こんなに、志気高いん?」
この奇兵隊は、武士以外の農民や商人など、どんな奴も受け入れてる。
そして、この志気の高さ。
長州は、武器不足に頭を悩ませていた。
それやのに、この隊士達は、銃や刀が無くても、石ころ握りしめて戦おうとしてる。
丞「コイツ等が、武器を手にしたら、めっちゃ強い隊が出来るんちゃうか・・・。」
幕府と、夷人からの攻撃でボロボロになってるはずやのに、何やねん。こいつら・・・。
すると雪が会いに来た。
雪「篠原さん。」
丞「あぁ。秋風・・・。どうした?」
雪「私、高杉の仮の妻になって、亡命の手伝いをします。」
丞「え?亡命?」
雪「はい・・・。高杉さん、命を狙われてるそうで、多分、大きな何かがあるかと思います。だから、ついて行ってきます。」
丞「さすがだね。お前なら、その位、朝飯前と思ってた。気をつけろよ。」
雪「篠原さんも・・・。」
俺達は、ギュッと、一度、抱き合った。
暗殺を止める手伝い・・・。雪の事やから、高杉は守るやろうけど、普通の芸妓が、出来る事とちゃう。
疑われる可能性がある。
俺は、雪の耳元で、
丞「気をつけや・・・。相手は、奇兵隊の頭や・・・。取れる情報は、デカいけど、その分、危ないから・・・。」
と言うと、
雪「わかってます。心配してくれて、ありがとうございます。山崎様も気をつけて・・・。」
と言い、雪は、俺に、口づけをした。
まぁ、雪のことやから、帯は解かへんやろうけど、心配は心配や・・・。
気を付けや・・・。
俺は、祈るように、雪の後姿を眺めた。