千年の時空を越えて






雪の部屋の前まで来ると、部屋の中から、総司と雪の声がした。




雪「ごめんなさい!一緒にいてくれるんですか?用事は・・・。」



総司「ないよっ!」



バシッ!



土方「何が、『ないよっ!』だ!お前は、これから、見廻りだろっ!」



総司「えぇー。こんな日くらい、代わって下さいよ!土方さんっ!」




土方「俺は、忙しいんだよっ!さっさと行け!」




俺は、総司を蹴り飛ばし、連れてきた隊士に総司を預けた。




土方「早く、連れていけ。」




隊士「副長!ありがとうございました!」




そう言うと、隊士らは、総司を引きずって行った。





総司「極悪副長の陰謀だーっ!鬼っ!」




土方「うるせぇよ。ったく・・・。」





チラリと雪を見ると、雪は、成り行きを楽しそうに見ていた。




俺は、はぁ・・・。とため息をついて、雪に近付いた。



土方「やっと、うるさいのが、消えたな。雪・・・。ご苦労だったな。」



俺は、雪の頬を優しく撫でた。



雪「土方さん?何を・・・っ。」



総司に自分の気持ちを言ってしまったせいか愛おしい気持ちが止められなくなって、雪を抱きしめていた。



土方「悪かった・・・。危険な目に遭ったんじゃねぇのか?」



雪「少し、危ない時はありましたが、こうして、戻ってきたので、大丈夫ですよ。離して下さい。」



土方「嫌だと言ったら?」




俺は、雪を挑発した。離れろというのは、総司の事を思っての事だ。




面白くねぇ・・・。



雪「何で、そんな意地悪を・・・っ。」



俺は、雪の顎を掴み、上を向かせて、口付けた。




いつもの景気づけの接吻ではなく、気持ちを込めた。




俺の気持ちに気付くだろう?



ゆっくり、唇が離すと、俺の気持ちに気付いたようで、雪は、真っ赤になっていた。



雪「土方さん・・・。何する・・・。」



土方「好きだ・・・。」




雪「え・・・?」




想いを遂に告げた。



雪は、真っ赤になり、固まった。




すると・・・。





「何してるんですか?」




低い殺気を纏った声が、後ろでした。



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