千年の時空を越えて




すると、高杉さんは、私を、京へ行く船まで送ってくれた。




雪「高杉様。お世話になりました!」



高杉「いや・・・。気を付けろよ?」



雪「はい!」




高杉「そういえば・・・。会津が新選組を手放すかもという噂を聞いた。薩摩に渡すと。」




雪「え?会津が、新選組を?」




高杉「あぁ。お前、こういう話、好きだろう?」




雪「はい!」




ビックリした!一瞬、バレたかと思った。





高杉「新選組の中で、頭が変わるかもという噂がある。頭が、変わったら、それを、奇兵隊にくれてやるとの事らしいがな。まぁ、戦闘が出来るなら、あっても良いが、あまり気は乗らん。」




雪「どうしてですか?」



高杉「頭は、二人もいらないということだ。」



雪「なるほど。」




高杉「しかも、会津に忠誠を誓い、俺らの仲間を、襲った奴らを誰が、仲間と認められる?もし、新選組が、奇兵隊に来たら、使い物にならなくなるかもなぁ・・・。」




雪「確かにですね。」




それに、伊東さんの事が、引っかかる。




私は、密会を思い出していた。




雪「あ!」




伊東『えぇ。少しずつ、仕込んでいますから。ご心配には及びません。これから、国の中枢を担う薩摩に加担していて損は有りますまい。』




そうだ。





幕府は、まだ、長州が怪しいとしか、掴んでいないのに、なぜ、伊東さんは、これから薩摩が、政治を握るとわかったの?




もしかして・・・。




私は、青ざめた。





近藤さんと土方さんが危ない!




私は、高杉さんにお礼を言った。




雪「高杉様!ありがとうございました!大事な事に気付けました!」





高杉さんは、フッと笑い、私を抱きしめた。




雪「あの・・・っ。」



高杉「名残惜しくて離せないというのは、この事だ・・・。うの・・・。」




私は、ギュッと抱きしめ返した。




雪「高杉様のおかげで、次に、何をすべきか、わかりました。高杉様もでしょう?」




高杉さんは、瞬きをして、



高杉「くくくっ。あぁ、そうだ!今から、頭の固い上の奴らを、説得せねばならんのだ!」




雪「高杉様・・・。大丈夫。わかってもらえます!そして、その船のおかげで、戦にも、勝てます!」





高杉さんは、ジッと、私の顔を見て、キスをした。




高杉「お前に、言われると、出来ると思える。お前も、頑張れよ・・・。」




その後、何度かキスをされて、長州を出た。












私は、海の向こう側を、見つめる。





伊東甲子太郎・・・。





私の読みが正しければ、あいつは、未来の人間・・・。








そんな時に、博士から、連絡が入る。






武豊「雪っ!大変だ!」





雪「どうしたんですか?」





武豊「前に、雪が、捕まえてくれた、 仁和寺 大吾が脱走していたらしくて、今ここにいる奴は、偽者だった! 」




やっぱり・・・。




雪「やっぱり、そうだったんですね。今、私が、疑っているのは、伊東甲子太郎です。」





武豊「さすが、雪!でもね、上層部が、偽者を掴まされて、恥をかいたと、言ってて、それを、雪に、責任を取らせるつもりだ。そこは、僕らで、何とかするから、本物を捕まえて!」





雪「わかりました。」




私は、タブを切り、船が京へ着くのを待った。








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