千年の時空を越えて
雪「失礼します。」
伊東「どうされたのですか?」
総司「伊東参謀に見て頂きたい物があります。」
伊東「はて?何でしょうか?」
帳簿を出して見せる。
丞「俺達が調べた結果、土方副長は、金策などしていない事がわかりました。これは、監察としての報告も含まれます。」
伊東さんは、書簡を手に取り、パラパラと、ページをめくる。
伊東「くくくっ。よく、ここまで、調べましたね?感服ですよ。さすが、乾君・・・。」
雪「っ!」
伊東「わかりました。付いてきなさい。」
私達は、伊東さんに連れられて、牢屋へ行く。
篠原「い・・・っ。伊東先生!?」
伊東「良いんです。」
中に入ると、土方さんは、拷問を受けていた。
雪・総司・山崎「っ!」
総司「土方さんっ!」
その声に、土方さんが、顔を上げた。
そして、ふっと笑った。
雪「もう、止めさせて下さい!土方副長の潔白は証明されました!」
伊東「そうですね・・・。彼は、無実でした。離してあげて、結構ですよ?」
すると、伊東派の拷問をしていた奴らは、一瞬戸惑う。
雪「早く、離しなよ。参謀の命でしょ?それとも、その腕いらないの?」
冷たく言い放った私の言葉と、総司さんが、刀に手を置いたのを見て、すぐに、土方さんは、下ろされた。
私は、すぐに、土方さんを抱き寄せる。
雪「土方様、大丈夫ですか?」
丞「遅くなってすみません!」
土方「どーってことねぇ・・・。」
総司「そうですよねっ!だって、土方さんの方が、もっと、酷い拷問してるし!」
土方「お前なぁ!」
私達は、土方さんを部屋に、連れて帰った。
私は、未来の薬を出す。
ジッと見つめる二人に、上目目線で、
雪「見ちゃダメ!」
と言うと、二人は、真っ赤になった。
丞「ま・・・っまたこれやっ!俺は、手伝うからええやろ?」
雪「ダーメ!二人共、出て行って?お・ね・が・い!」
総司「雪ぃ~。そんな可愛いおねだりされたら、僕、土方さんなんてどうでも良くなるよぉ。部屋に連れ込みたくなるよぉ。ここは、もう、丞ちゃんに、任せて、僕と部屋に戻ろう?」
丞「オイ!何、気持ち悪い声で、訳わからん事、言ってんねん。」
総司「もう、土方さんは、助かったんだから、こんな傷、鉄で、焼いたら良いんだよ。」
雪「総司様・・・。結構、厳しいんですね・・・。」
総司「雪と早く二人っきりになりたい。雪が帰って来てから、二人の時間が、全然なかったし。」
総司さん、安心したから、冗談が出てきた。
雪「総司様・・・。すみません。これだけは、やらせて下さい。ここで、土方様が怪我をするなんて、史実は無いので・・・。」
総司「わかった・・・。」
丞「あ・・・。俺、雪に、言いたいことあるねん。」
雪「何ですか?」
丞「ここでは、ちょっと。」
そう言うと、総司さんが、山崎さんを睨んだ。
丞「前に、約束した、逢瀬しよ?」
総司「そんなものするわけないし!」
ギャアギャアうるさくなったので、二人には、出て行ってもらった。