千年の時空を越えて
恐怖のおいわさん~土方Side~
ッダダダダダダ。
スパーン!
総「ひっ!土方さん!起きてください!!」
刀を抜いた状態で、総司に激しく揺さぶられ、飛び起きた。
土「どうした?何だ?顔、真っ青だぞ!奇襲か!?」
そう、訊ねると、総司は顔を、ブルブル振って、真剣な顔つきで、刀を握ったまま、俺の胸ぐらを掴んで揺さぶっている。
土「ちょっ、危ねぇ!刀!」
総「そんな事、どうでもいいんです!」
土「どうでもよくねぇ!」
総「で、出たんです!」
土「出たって何がだよ。」
総「おいわさん!」
土「は?」
総「だーかーらーおいわさんです!幽霊の!」
土「・・・。」
総「・・・。」
スパーンと総司の頭を叩いて布団を被る。
土「寝ぼけてねーで、さっさと寝ろっ!」
それをまた、ひっぺがえされる。
総「本当なんです!今、僕の寝床にいるんです!」
土「はぁ?そーかよ。よろしく言っといてくれ。」
総「信じてないですね!?一緒に来てくださいよ!」
土「やだよ。もう戻って寝ろ!」
総「じゃあ、僕もここで寝ます。」
と、布団に入ってきた。
土「お、おい!なんで男と床を共にしなきゃいけねーんだよ!」
と総司をぐいっと押しのけた。
総「来てくれないと、豊玉さんの発句集を屯所中にバラまきます!」
土「・・・テメェ・・・。」
一向に譲らない総司に根負けし、行灯を片手に総司の部屋へ向かった。