千年の時空を越えて





油小路付近。





伊東は、籠に乗っている。




雪「待ちなよ・・・。」




籠持「何奴!?」



土方「命が惜しいなら、どっか行ってろ。」



籠持ち「ひぃ!!」




籠を運んでいた人は、逃げていった。



異変に気付いた伊東が、出てきた。




伊東「ふっ・・・。土方君に・・・。沖田君、それに、乾君・・・。」




雪「伊東さん・・・。いや・・・。仁和寺 大吾・・・。逃亡と伊東 甲子太郎殺害の容疑で死刑に処す!」




伊東「逮捕・・・じゃないのですか?」




雪「あんたには、伊東甲子太郎になってもらわないと・・・。」




伊東「くくくっ・・・。君はやはり、美しく、賢いね・・・。君とキスできたとき、私が、どれほど、嬉しかったかわかる?でもねで、ここで捕まるわけにはいかないんだよっ!」



総司「私が、斬って差し上げますよ!土方さんの汚い言葉を借りるなら、『この上なく、胸くそ悪ぃ』です!雪に、触れたこと、許しませんから・・・。」




土方「汚い言葉って、お前なぁ・・・。」




総司さんの殺気は凄まじいものだった。





雪「総司様っ!仁和寺は、私が殺りますからっ!」




総司「雪・・・。これだけは、譲れないよ・・・。」




土方「おい・・・。俺を忘れるな!指示は、俺が出す!」





総司・雪「あ・・・。いたんですか?」




伊東「なんだか、あなたに、同情してしまいます・・・。」





土方「お前に、言われたかねぇ!」




私は、指に、空気銃をはめる。




伊東もとい、仁和寺が、懐から、煙玉を出した。





ボンッ!





私は、素早く、空中ボードを出して、“煙の外側”に避けた。





すると、仁和寺が、私の下だが、煙の外側にいた。






仁和寺「くくくっ・・・。ブハハハハハハッ!これで、お前等も終わ・・り・・・え?」




私は、仁和寺の後頭部に周り、空気銃をはめた指を押し当てた。



雪「私をナメないでね?」



仁和寺「さすが、特作隊の3番手になるだけあるね?」




私は、スタンガンもどきの出力を四肢の自由を奪うギリギリまで上げて、仁和寺に押し当てた。



仁和寺「うぐっ・・・。」





バタッと、仁和寺は、地面に落ちた。




仁和寺「こうなったら、お前らだけでもっっ!」




仁和寺が、土方さんに、焦点を定める。





仁和寺「う゛っ・・・。」




ビュン!





私は、すかさず、飛び込む。






弾は土方さんの髪の毛を、少しかすって、空を切った。





仁和寺が、喉に手を置き、苦しみだした。




仁和寺「うぐっ・・・。ぐはっ!こ・・・っれは・・・。はぁ・・・。はぁ・・・。」




雪「やっと、効いたのね。私の作った毒が・・・。」




仁和寺「酒は、調べたのに・・・っ。どうし・・・て・・・。」




雪「誘惑に負けた時点で、あなたの負けだった・・・。」




仁和寺「そん・・・な・・・。」




総司「覚悟して下さい・・・。」




ザシュ。



仁和寺「うぐっ・・・。くはっ・・・。フフフ・・・。やっぱり・・・。そうか・・・。沖田君の・・・病を、治したんだね・・・。」





雪「そんな事、私がする訳ないでしょう?咳止めを渡してあげてるだけよ?」




仁和寺「まぁ・・・。良いよ・・・。すぐに、わかる・・・。でも・・・。私が・・・居なくなれば・・・君は、仲間を、暗殺しないといけないんだ・・・今の君に、出来る?」




藤堂さんの件だ・・・。




仁和寺「君の好きな高杉も、あいつの師である吉田松陰もしてた・・・。自分が死んでも、志を継げと・・・。」




土方「ごちゃごちゃとうるせぇんだよっ!」




ザシュ。



仁和寺「ぐはっ!」




総司「雪に触れたこと、あの世に行っても、後悔して下さい!」




ザンッ!




仁和寺「・・・。っ!カンバラッ!」




仁和寺は、目を見開き、こちらを、睨んで息絶えた。




総司「終わった。」



土方「コイツを動かすぞ。」




そして、二人に担がれ、仁和寺は、油小路に捨て置かれた。





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