千年の時空を越えて
屯所に着くと、総司さんが、出てきて、永倉さんから、私を譲り受けた。
総司「雪・・・。」
部屋に入り、抱きしめられると、私は、ギュッと、総司さんの袖を握った。
雪「総司様・・・。私・・・。」
総司「うん・・・。未来の・・・。お役目だったんだよね・・・。」
私は、頷いた。
総司「僕さ・・・。丞ちゃんや、土方さんが言ってたことやっとわかったよ・・・。未来を知っていて、お役目を果たさないといけない雪の気持ち・・・。こんなの辛いよね・・・。」
私は、総司さんの胸に顔を埋めた。
雪「私は、今まで、こんな事・・無かったんです。どんなお役目だって、完璧にしてた・・・。でもここの人達といると、今後、お役目を果たせるのか、自信がありません・・・。」
総司「じゃあ、辞めたらいい。雪は、おなごなんだし。おなごには、おなごの幸せもあると思うよ?」
そっか、この時代、女は家に入るのが、常識だ・・・。
雪「私は、このお役目に、誇りを持っています。誰かがしないといけないなら私がしたい・・・。」
総司「そっか・・・。そう言うと思った・・・。じゃあ、しんどくなったら、いつでも、こうやって、抱きしめて、慰めてあげるよ・・・。」
雪「ありがとうございます・・・。」
総司さんの優しさで、胸が締め付けられる。
女のくせに暗殺などしている私をこうやって抱きしめてくれてる。
この時代の人からすると有り得ない事だ。
粛清や、暗殺など血生臭い事を知っているからこその言葉なんだろう・・・。
今の苦しくて潰れそうな私に、逃げ道を作ってくれたこの愛おしい人に私は感謝した。