千年の時空を越えて





雪「ついに、この時が、来た・・・。」




私は、土方さんに、長州へ行く、お願いに、来ていた。




雪「お願いしますっ!」




土方「ダメに決まってるだろ?」




雪「私には、未来のお役目があるんですっ!」




土方「そんなのどうとでも言える。お前は、未来のお役目が、あれば、何でも許されると思っているのか?」




雪「思ってません!でも、私は、この時代に来て、あなた達の側に、いますが、未来の人間であることには変わりない。歴史を変えてはいけないんです!そのためには、長州へ行かなくては、いけないんです!」





そこに、たまたまいて、一緒に話を聞いていた、総司さんが、口を開いた。




総司「何故、長州に行かないといけないんですか?理由も話さないで、行きたいだけでは、許可なんて得れない事くらい、雪もわかってるでしょ?」




雪「それは・・・。」




土方さんが、書簡から視線を私に、移した。





仕方ない。





雪「長州藩士、高杉様の最期を見届けるお役目に行くのです。」



土方・総司「え・・・?」




総司「それって、どういう事?」




雪「彼には、史実では、“うの”と呼ばれる、愛妾がいます。本当は別の人が、なるはずだったんですが、成り行きで、私が、その人になったんです。史実に、高杉様の最期が記された物があるんですが、そこにうのが存在するのです。だから・・・。」




土方「行きたいと?」




雪「歴史は些細なことで、変わってしまう・・・。それが、未来に、どう影響するかわかりません。だから、私が、うのさんとして、やるべき事をするんです。終われば、すぐに戻ってきます!お願いしますっ!」




私は、畳に、おでこを付けて、お願いした。




総司「妾ってさ・・・。高杉の・・・。」




雪「何も・・・いや・・・。キス・・・接吻は、何度か、されました。すみません。でも、それ以上は、ないです!」




総司さんは、私を、睨んでいた。





雪「黙ってて、ごめんなさい・・・。」




総司「許さない。」




そう言うと、総司さんは、私を抱き寄せて、キスをする。




深いキスをされて、総司さんの背中を、軽く叩くも、一向に止めてくれない。





バシッ!





総司「痛っ!」




土方さんが、総司さんの頭を叩き、剥がしてくれた。




土方「お前、人の部屋で、しかも、俺の前で、何やってる?」




総司「一つは、消毒。もう一つは、土方さんに対して、“雪は僕のだ”という、見せ付けです。」




土方「うるせぇよ!」




そして・・・。




雪「お願いします!行かせて下さいっ!」




改めて、お願いした。





土方「わかったよ・・・。その代わり、こちらの動きは、絶対に言うな。あちらの情報を、取ってこい。わかったな?」




雪「ありがとうございます!」




私が、部屋を出ると、総司さんも付いて来た。





部屋の中に押し込まれて、抱きしめられる。





雪「総司様・・・?」




総司「本当は、凄く嫌だ・・・。他の男の所に行かせるなんて・・・。」




雪「高杉様の病では、もう、きっと、何も、出来ませんから・・・。」




総司「病・・・。何の?」




雪「労咳です・・・。」




総司「っ!」




雪「だから・・・。」




総司「わかったよ・・・。」




総司さんは、私を抱きしめ直して、何度もキスをした。





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