千年の時空を越えて
雪「先ずは、これを、見て下さい。」
雪が、いつも持っている、小さな箱を触る。
丞「なんやこれ・・・。」
総司「伊東さんが、小さくなっちゃった・・・。」
そこには小さくなった伊東さんが、男と密談していた。
雪「驚かれるのは無理もありませんが、今は、ちゃんと、見て下さい。」
そこには、土方さんを貶める事を言っている、伊東さんがいた。
総司「ど・・・どういう事?これって・・・。」
雪「はい。おそらくは、土方副長を嵌める算段があったものかと・・・。そして、伊東さんは、未来の人間である可能性が高い。」
丞「未来の人間?」
雪「はい。」
雪が、初めて自分から、未来の事を僕達に話してくれた。
きっと、それだけ、緊迫した状況なんだろう・・・。
総司「どうしてそんな事がわかるんですか?」
雪「歴史的に違うからです。歴史を知っている人間しか出来ない事です。土方様は切腹では死にません。」
きっぱり、切腹では、死なないと言う雪の言葉に僕達は、安堵の溜め息を漏らす。
丞「でも、どうやって、副長の潔白を証明するんや?俺ら監察が調べたら黒い証拠しか出てこんかった。」
雪「そこは未来の道具に頼りましょう!」
雪は、そう言うと、見たこともない、カラクリを出した。
すると・・・。
伊東『皆さん、ここを、尊皇攘夷の組にしましょう!このままで良いのですか!?良いわけありません!ここを変えるためには、何が必要で、何が、要らない者かわかりますか?それは・・・。ここを牛耳っている者!頭と右腕だ!まぁ、ここの頭は、言いくるめれそうだが、右腕は・・・。無理でしょうね。』
隊士『副長を殺れって事?無理でしょ・・・。』
伊東『いいえ。無理ではありません!ここには、厳しい、法度があります!かつて、それを使い、頭を奪ったのです!だから、私達も、同じ事をするのです!』
そこにいる全員が、唾を飲む。
伊東『いいですか?自分が作った法度で、自分が守れないなんて、誰が付いていきますか?自滅して貰いましょう!そしたら後は簡単。』
そして、二重帳簿や色々な金の流れをわざと、止めて、調べても黒しか出ないようにしていた。
なるほど。
そういうことか・・・。
雪の提案で、裏帳簿のあぶり出しが、始まった。