千年の時空を越えて
僕は、真面目に雪と丞ちゃんの指示に従い、動いた。
密偵とか、ほとんど経験の無い僕から見ても、二人は、息がピタリと合っていて、少し妬けるほどだったが、今回は、土方さんの事があるため、我慢した。
そして、見事に、土方さんを奪還できたのだ。
僕は、安堵した気持ちと雪への感謝の他に、もう一つの気持ちが、浮き上がる。
僕達は、やはり、住む世界が、違うということ・・・。
彼女が、未来から来たということを思い知らされた。
まぁ、だから、土方さんの事、助けられたんだけど・・・。
僕達は、拷問を受けていた土方さんを部屋に、連れて帰った。
すると、雪が、未来の薬を出す。
僕達は食い入るように見ていると、雪が上目目線で、
雪「見ちゃダメ!」
と言った。
かわいい・・・。
丞「ま・・・っまたこれやっ!俺は、手伝うからええやろ?」
“また”ってどういう事?
丞ちゃんは、こんな可愛い雪を、見たことが、あるって事?
面白くない。
すると・・・。
雪「ダーメ!二人共、出て行って?お・ね・が・い!」
可愛すぎるっ!
総司「雪ぃ~。そんな可愛いおねだりされたら、僕、土方さんなんてどうでも良くなるよぉ。部屋に連れ込みたくなるよぉ。ここは、もう、丞ちゃんに、任せて、僕と部屋に戻ろう?」
丞「オイ!何、気持ち悪い声で、訳わからん事、言ってんねん。」
総司「もう、土方さんは、助かったんだから、こんな傷、鉄で、焼いたら良いんだよ。」
雪「総司様・・・。結構、厳しいんですね・・・。」
総司「雪と早く二人っきりになりたい。雪が帰って来てから、二人の時間が、全然なかったし。」
後は、丞ちゃんに任せても大丈夫。男なんだから、傷が残っても、別にいいでしょ!
雪「総司様・・・。すみません。これだけは、やらせて下さい。ここで、土方様が怪我をするなんて、史実は無いので・・・。」
少し、寂しそうな雪・・・。
総司「わかった・・・。」
丞「あ・・・。俺、雪に、言いたいことあるねん。」
雪「何ですか?」
丞「ここでは、ちょっと。」
まさか・・・。
あの時、言ってた、求婚がどうとか・・・。
丞ちゃんを、見ると、少し赤い。
やっぱり。
丞「前に、約束した、逢瀬しよ?」
総司「そんなものするわけないし!」
丞「邪魔せんとってくれるか?」
総司「丞ちゃんが、全く、可能性の無い意味のない事をしようとしてるからでしょ!」
雪「二人とも、うるさいっ!出て行ってっっ!」
総司・丞「すみません・・・・。」
僕達は、外に放り出された。