千年の時空を越えて
次の日・・・。
近藤さんが、皆を集めた。
近藤「勝殿から、命が下りた。ここを出て、甲府の城を守れとのことだ!新政府に勝ったら、褒美も頂けるとのことだ!」
土方「それって、理由のある追い出しじゃねぇか・・・。」
総司「そう言えば、勝様は、江戸城を明け渡すとのことでしたよねぇ?」
さすが、土方さん、鋭いなぁ・・・。
近藤「しかしだな、勝殿は、慶喜公より、この件を一任されたのだ。」
土方「けっ・・・。また、逃げ出したんじゃねぇか・・・。」
近藤「まぁ、仕方あるまい。皆、出立の準備をしてくれ!」
全員「はい!」
そして、準備を終えて、私は、また、あの屋根の上に、行こうとした。
すると・・・。
「どこへ行くの?また、休息しに行くんですか?」
振り向くと、総司さんが、ニコッと笑う。
雪「ここを出る前に、もう一度だけ行こうと思って・・・。」
総司「じゃあ、僕も行く。」
一緒に、屋根を登った。
総司「猫みたいだよね・・・。屋根の上で日向ぼっことか。」
雪「まぁ、確かに。」
たわいのない話をしていると、総司さんが私をギュッと抱きしめる。
雪「ちょっと!誰かに見られたら・・・。」
総司「誰も屋根の上で、こんな事してるなんて思わないよ。」
そう言うと唇が重なった。
触れた所が、甘く痺れる。
そういえば、総司さんとゆっくり話したのも久しぶりだ。
何度もキスをすると、総司さんは、唇を私の耳や首筋に這わせた。
雪「こんな所で、ダメです!」
総司「こんなに目を潤ませて、僕を誘ってるのに?」
雪「誘ってないです・・・っ。」
唇をまた塞がれて、何度もキスを交わす。
ん?
こちらに、向けられた殺気に、総司さんも気付いて、お互いバッと構える。
総司「さっきの何だろ?」
雪「わかりません・・・。」
しばらく、探ったが、何もない。
雪「そろそろ行きましょうか?この事、土方様に報告しましょう。」
総司「何を?」
総司さんが、ニヤニヤして、聞いてくる。
雪「殺気を感じたという事です!」
総司「ふーん。そんな所で、何してたって言われるよ?まぐわろうとしていたって言った方が良いんじゃない?」
雪「まっ・・・っ!まぐわろうとなんてしてませんっ!しかも、あんな所でっ!」
総司「そぉ?僕は、いつでも、どこでも、良いですけどねぇ?」
雪「何、言ってんですかっ!」
二人で、じゃれるように、土方さんの所へ行った。