千年の時空を越えて
休憩から戻ると、部屋の中から、怒鳴り声が聞こえた。
総司「何だろ?」
雪「さぁ?」
私達は、首を傾げつつ、部屋に入った。
新八「何だよっっ!?それはっ!ちょっと、派手に、故郷に帰ったからって、いい気になってんじゃねぇっっ!」
雪「どうしたんですか?」
左之助「どうもこうもない!」
新八「俺ら甲陽鎮静撫隊は、元は会津の物だ。だから、会津で、戦おうって言った。そしたら・・・。」
左之助「近藤さんが、自分の家来になるなら、会津に行くが、家来にならないなら、行かないと・・・。俺らは、同志だっ!仲間だと・・・。友人だと、思っていたのに・・・。近藤さんは、俺らのこと、そんな風に見てたんだな・・・っ。」
近藤「この先、この隊の局長は、俺だ。大名になれるやもしれん。それならば、お前らは、家来という事になるんじゃないのか?」
新八「っ!・・・もう、あんたとは、話してても、埒が明かねぇ・・・。俺は、会津に行く。」
左之助「俺もだ・・・。」
二人は、部屋を出ていった。
近藤「俺の考えに、付いて来れない者は、出て行って構わない。」
そう言うと、数人が、出て行った。
そして・・・。
斎藤さんも、立ち上がった。
雪「斎藤さんっ!」
斎藤さんも、確か抜けるのはわかってたけど、止めたかった。
一「俺は・・・この新選組は、会津藩に、忠義を尽くすべきだと、考える。だから、俺は、行く・・・。」
雪「そうですよね・・・。出て行った人、皆、同じ気持ちなんですよね・・・っ。」
一「あぁ・・・。新八さんも左之助さんも同じだと思う・・・。」
私は、新八さんと左之助さんの所に行った。
雪「新八様っ!左之助様っ!」
呼びかけると、二人は、振り返った。
雪「すぐ、行くんですか?」
新八「あぁ・・・。あっちは、早く、一人でも、人数が欲しいだろうからな。」
雪「そうですか・・・。あの!小常さんと、マサさんに、何か・・・。」
新八さんは、数十年後に会えるけど、原田さんはこの戦いで戦死する・・・。
二人は、私を見て、文を書き、渡された。
左之助「よろしく頼む。」
雪「はいっ!」
私は、二人の文を胸に抱きしめた。
私は、急いで、京まで、戻り、二人に、文を渡した。