千年の時空を越えて
雪「総司様・・・。お願いがあります・・・。」
総司「何?」
雪「土方様の所へ行く前に、行きたい場所があるんです・・・。」
総司「急ぎ?向こうも戦が始まってる・・・。」
雪「はい・・・。どうしても、二人で、行きたいんです。」
総司「わかった。」
私達は、“ある場所”へ向かった。
そこは・・・。
千駄ヶ谷にある植木屋の家。
そう・・・。
総司さんが静養していた場所・・・。そして・・・亡くなった場所だ・・・。
総司「ここは?」
雪「総司様が、亡くなられるはずだった場所です・・・。」
総司「え・・・?」
雪「この場所は、総司様が、病で静養し、そして、亡くなる場所・・・。」
総司「そう・・・。」
雪「お願いがあります・・・。少しの刻で良いんです。ここで、少しだけ、一緒に居てくれませんか?」
総司「どういう意味?」
雪「未来のお役目があります・・・。それが、終われば、私は・・・未来へ帰ります。だから、思い出に少しでいいので総司様と幸せな思い出が欲しい・・・。」
総司「え・・・帰る?」
雪「はい・・・。」
総司「そっか・・・。雪も・・・雪も・・・。この場から・・・。僕の前から、いなくなるんだ・・・。」
雪「ごめんなさい・・・。」
総司「でも、最初から、その約束だったもんね・・・。わかった・・・。幸せな思い出作ろう!」
雪「はい!」
良かった・・・。
私達は、植木屋さんにお願いをして、離れを借りた。