千年の時空を越えて
夜になり、総司さんが湯浴みから戻ってきた。
総司「雪ー。戻った・・よ・・・って、え・・・?」
雪「お帰りなさい。」
総司さんが、驚いたのは、私の・・後ろを見てだ。
布団は一組。
私は、いつも、二組敷いていた。
総司「ひ、一組?どうして?いつも・・・。」
私は、立ち上がり、総司さんに、抱き付いた。
緊張する・・・。
雪「総司様と、一緒に寝たくて・・・。」
総司「でも、僕・・・。一緒に寝たら、我慢出来ないというか・・・。」
私は、総司さんの胸に顔をうずめた。
雪「我慢しなくて、良いです・・・。」
総司「それって・・・。」
私は、腕に、力を少し入れた。
恥ずかしいが、頷くと、総司さんが私を抱きしめた。
総司「雪・・・。顔上げて・・・。」
無理だ・・・。
恥ずかしすぎる。
私は、首を横に振る。
総司「雪・・・。」
とても、優しい声で名前を呼ばれて、ゆっくり顔を上げた。
総司さんは、口元に笑みを浮かべて、顔を近付けた。
総司「ありがとう・・・。」
そう呟かれ、総司さんと、唇が重なった。
布団に、ゆっくり押し倒されて、総司さんの重みが心地良い・・・。
キスが、深くなり、総司さんを、今までで一番近くに感じた。
涙が溢れて、こぼれると、総司さんは、優しく拭ってくれた。
その夜は、今まで、生きてきた中で一番、幸せで初めての感覚ばかりだった。
空が、白くなってきた頃・・・。
総司さんと、何度目か分からないキスをしていた。
総司「雪・・・。愛してる・・・。」
雪「私もです。愛しています。」
このまま、時が、止まればいいのに・・・。
総司「このまま、時が止まればいいのに・・・。って、また、僕、女々しいね・・・。」
雪「私も、同じ事を考えていました・・・。」
総司さんは、私を抱きしめて、ずっと、離れなかった。
しかし、時は、酷なもので、その日は、近付いていた・・・。