千年の時空を越えて
近藤先生の治療のため、大坂にいる松本先生の所へ、近藤先生のお供で行くことになった。
しかし・・・。
雪と一緒に、行けなくなった・・・。
あーあ。まただ。
あの二人は、すぐに雪に手を出すから、心配だ。
しかも、丞ちゃんに至っては、求婚するとか言い出していたし・・・。
一応、脅しはかけてきたけど・・・。
もう、雪に会いたくて・・・触れたくて仕方ない。
近藤「本当に、お前は、雪に惚れ込んでいるな・・・。」
総司「はい!こんなにおなごの事で、頭がいっぱいになるなんて思わなかったです。」
近藤「はははっ!そうか!」
前の僕なら、こんな事、恥ずかしくて言えなかった。
少しして、丞ちゃんが来た。
丞「おうおう!憎い恋敵!」
総司「こっちの台詞だよ!雪は元気?」
丞「そこは、普通、副長は?とか、聞いとこうや!」
総司「えー!別に、鬼は、大丈夫でしょ!」
丞「そうでもないで。恋煩いやし。」
総司「はぁ?」
丞ちゃんから、土方さんと雪の接吻話を聞いた。
絶対、あの鬼、ニヤニヤしてるだろう・・・。
はぁ・・・。
僕は、イライラして刀の素振りを始めた。
丞「はははっ!おうおう!嫉妬して、喧嘩別れしてまえ!」
僕は、丞ちゃんを睨みつけた。
僕達は、縁側で話をしていた。
「見ーつけた♪」
総司・丞「え?」
上を向くと、一人のおなごが立っていた。
総司「曲者っ!」
僕達は、バッと、体勢を整えて、刀を抜いた。
丞「お前、どこから来た?何者だ?」
丞ちゃんは、お役目のときに、言葉遣いが変わる。
「私は、未来から来たの。ふふっ。沖田総司に山崎丞でしょ?乾雪は近くにいないみたいね?」
総司「そんな奴知らない・・・・。」
コイツは誰?
雪とどんな関係?
「沖田総司、ピンピンしてるじゃない・・・。へぇ・・・。あのアイスクィーンが、歴史を変えてまで、守ったんだ・・・。仁和寺の言ってたこと、半信半疑だったけど・・・。へぇ・・・。」
丞「お前は誰だ?」
「私は、雪と同じところの組にいたの。まぁ、あんたのせいで、雪は、罪人だけどね。」
罪人?
総司「何で、罪人?」
「やっぱり雪のこと知ってるんだ・・・。まぁ、いいわ。教えてあげる。私達は、歴史を変えられたものを元に戻すの。変える者は、罪人。あなたは、病で、もう立ち上がるのも、大変で、やせ細っていた筈・・・。でも元気そうね・・・。」
総司「お前には、関係の無いこと!」
「そうでもないわ。あなたを・・・。殺さないと・・・。」
そう言うとおなごは、僕に、寄りかかった。
総司「何をっ!」
「あんなおなごより、私の方が、良いでしょ?」
厭らしい笑みを浮かべて、体を触ってくるおなご。
総司「気持ち悪いから、止めてください!」
「へぇ・・・。沖田総司は男色?」
総司「違います!僕は、心から、愛おしいおなごがいるんです!あなたに触れても、慰めにも何にもなりません。」
「は?どういう意味よ!」
総司「はっきり言います!雪は僕にとったら天女だ。それに比べたら、あんたなんて、顔だけの女郎だ!」
「何ですって!」
おなごは、体をブルブル震わせ唇を噛み締めた。
「まぁ、良いわ!それなら、あの女に、苦しみを与えてやるっ!それまでは、生かして置いてあげるわ!もし、この事をあの女に言ってみなさい?雪を殺すから・・・。」
そう言うと、消えていなくなった。