千年の時空を越えて
神田・医学所にて。
縁側に座って、ブツブツ言っている雪がいた。
総司「雪?こんな所にいたら風邪ひくよ?」
雪が、振り返ったと同時に、こちらに飛びかかって来て押し倒された。
総司「うわっ!」
バタッ。
総司「大胆だね?雪。どうしたの?」
雪「総司様、お聞きしたい事があります!」
総司「何?」
雪「正直に、お話しして下さい!大坂で、未来の人間に会いましたね?」
総司「っ!な・・っ!なんで、そんな事・・・。」
しまった!思いっきり、動揺してしまった・・・。
雪「山崎様が教えてくれたんです。」
総司「そんなわけ無いよ!」
そうだよ。これは、僕と、丞ちゃんとの約束だもん。
雪「直接は、聞いてません。でもわかったんです!何故、隠す必要があるの!?私、言いましたよね?逃げてって・・・。」
雪は、勘が良いからわかってしまったんだろう。
本当のこと言うしかないか・・・。
総司「確かに会った・・・。でも、少し話をしただけ・・・。ごめん・・・。僕のこと、わかってしまったみたいだ・・・。」
雪「なんで、言わなかったの!?」
総司「口止めされてた・・・。でも、雪だって、そうじゃないかっ!!本当は、僕の事を助けちゃダメだったんだよね!その人が言ってた・・・っ。僕を・・・っ。助けたから、雪が、罪人になったんだって・・・。」
僕は、心に溜めてる事もぶつけた。
雪「っ・・・。それは・・・っ。」
総司「なんで・・・。そんな事したの?ダメじゃない・・・。雪が・・・雪が、罪人だなんて・・・っ。」
雪が抱きついてきた。
雪「私は、総司様を助けたこと後悔してません。私が・・・何もしていなかったら、後悔してたの・・・。だから、苦しまないで?私のためにしたことだから。」
あの時、病で死にたくないと言ったのは、僕なのに、この子は、こんなにも優しい。
僕は、抱きしめていた腕に力を入れる。
総司「ありがとう・・・。雪・・・。」
雪「最後の日は、“悔いがなかった”ですよ?」
総司「うん!」
僕達は、誓うように、唇を合わせた。