千年の時空を越えて
植木屋の家で、僕達は、本当の夫婦みたいに過ごした。
戦に行かないと行けないのに、ここだけは、甘くて、幸せな場所・・・。
家族団らんという物を、久々に感じて、ずっと、このままであればいいのにって、思ってしまってた・・・。
すると、雪が、変な事を言い出した。
雪「総司様・・・。総司様は、ここで辞世の句を詠まれます。詠んで頂けませんか?」
総司「辞世の句?くくくっ。僕を殺す?雪になら、殺されても良いよ?」
雪「本当に?」
総司「うん・・・。そのかわり、君に抱かれて、息を引き取りたいけど・・・。」
雪「私もですよ?」
僕は、少し、考える。
そうだ!
僕の辞世の句なら、コレしかない!
それは、最近、見た土方さんの豊玉発句集の句の返事を詠んでみた。
それを、見せると、雪は、微笑んで、笑った。
総司「何?変?土方さんより、マシな出来だと思うけど。」
雪「これ・・・総司様の句、残っているんです。土方様の返事の句だって・・・。」
総司「なっ・・・っ。」
僕の想いが、バレてしまった。
恥ずかしくて、顔から、火が出そう。
総司「ち・・・っ、違うよ!!ひ、土方さんのマズい句に、返事なんて詠めるわけないよっ!」
すると、雪は、僕の心を見透かしたように言った。
雪「そういうことにしときます。」
僕達は、微笑みあい、口付けをした。