千年の時空を越えて
ブブブ・・・。ブブブ・・・。
“たぶ”が揺れている。
僕は、そのたぶを手に取った。
ピピッ。
すると、小さくなった雪が、現れた。
総司「雪っっ!!良かった!小さくなっちゃって、どうし・・・。」
雪『総司様・・・。勝手に、こんな事をして、ごめんなさい。これを、総司様が、見ているという事は、総司様を助けることが出来たのですね。私は、どうしても、あなたを救いたかった・・・。総司様も、今日、死のうとしてたでしょ?そんなの私が、耐えれません。』
総司「僕だって、耐えれないよっっ!!」
雪『総司様・・・。私は、未来で自害したことになっています。ですので、この時代で、総司様は、生きていけるのです。おなごの私の体で申し訳ありませんが、近藤様の遺言は、守らないと!総司様・・・。悔い無きように!ですよ?約束です。こんな私に、愛すること、愛されることを教えてくださったこと感謝しています。総司様に出逢えたことは私の宝です。どうか、悔いの無いように!それでは、お元気で・・・。』
プツン。
総司「雪っっ!!雪・・・。無理だよ・・・っ。こんなの・・・。」
どれだけ、時が経っただろうか・・・。
僕は、日が落ちて暗くなっても、その場を動けずにいた。
部屋には、灯りが点いている。
部屋に、戻ると、“沖田総司”が皮と骨の細い体になって、死んでいる。
総司「ここに、いたんだ・・・。」
本来の僕が、ここにいる・・・。
僕の代わりに、病になって、亡くなった雪・・・。
総司「雪・・・。後悔しないでって言うけど、これは、雪のやり方が間違ってる・・・。僕は、こんなの耐えれないよ・・・。ごめん。約束は、守れない。」
僕は、総司の体の上に置いてある短刀を、手に取った。
総司「雪・・・。見た目が雪の体に、傷付けて、ごめん・・・。」
僕は短刀を、抜き、自分のお腹に刺して、横に引いた。
総司「グハッ・・・はぁ・・・。はぁ・・・。雪・・・。」
僕は、力尽きて、雪の体の上に、覆い被さった。