千年の時空を越えて
縁側らしき所を通り過ぎ、台所らしき所で、湯をもらい、庭に出ると、井戸があった。
男は、
「どうぞ。綺麗にして下さい。」
と井戸からくんで、ちょうどよい、温度になったお湯と、手ぬぐいを渡してきた。
私は、「ありがとうございます。」
と受け取り、顔と体を、綺麗にしようと帯に、手をかけた。
雪「・・・。」
男「・・・。」
雪「あのぉ・・・。そこにいられると、恥ずかしいです。」
男「どうしてですか?」
と、本当にわからないといった感じだった。
(あ・・・。そっか。江戸時代は、混浴が当たり前だったはず。でもこれは、ちょっと無理だ。)
雪「化粧を落とすところはさすがに・・・。」
そう言うと、うーんと唸って
男「じゃあ、少し、離れますが、逃げないで下さいね?逃げたら、斬りますから。」
と、言うものの視野に入るところにバッチリいた。