千年の時空を越えて
雪「私は、間者ではありません。それに、別に、お見せするような物は、入っておりません。」
「はぁ?それは、こちらが決めること。開けろ!」
雪「それは・・・。」
そう言うと、私は目に涙を溜めて言った。
雪「お恥ずかし過ぎてお見せできません。」
と、私は涙を流した。
「見せろ。」
雪「・・・。わかりました。」
そう言って、瓶の蓋を開けるように、上蓋を、くるくる回して開けた。
「なっ。そういう風に開くのか。中も見せろ。」
蓋を開くと、中には・・・春画。
「!」
雪「こんなの酷すぎます。」
とまた、涙を流す。
「まぁ、悪かった。しかしなんでそんな凝ったモン持ってる?」
「これは、父の忘れ形見。父は、こういったカラクリを作るのが好きな人でした。」
すると「とし、もういい。」
「でも・・・。」
「この子は、苦労しているようだ。その上、人さらいにあって・・・。ちょうど、女中も辞めてしまった。ここにいたらいい。」
と、私の頭を優しく、撫でながら言った。
博士、変な、開発のおもちゃで助かった。ありがとう。と心の中で、呟いた。