千年の時空を越えて

雪「私は、間者ではありません。それに、別に、お見せするような物は、入っておりません。」


「はぁ?それは、こちらが決めること。開けろ!」


雪「それは・・・。」


そう言うと、私は目に涙を溜めて言った。


雪「お恥ずかし過ぎてお見せできません。」


と、私は涙を流した。


「見せろ。」


雪「・・・。わかりました。」


そう言って、瓶の蓋を開けるように、上蓋を、くるくる回して開けた。


「なっ。そういう風に開くのか。中も見せろ。」



蓋を開くと、中には・・・春画。


「!」


雪「こんなの酷すぎます。」


とまた、涙を流す。


「まぁ、悪かった。しかしなんでそんな凝ったモン持ってる?」


「これは、父の忘れ形見。父は、こういったカラクリを作るのが好きな人でした。」


すると「とし、もういい。」


「でも・・・。」

「この子は、苦労しているようだ。その上、人さらいにあって・・・。ちょうど、女中も辞めてしまった。ここにいたらいい。」


と、私の頭を優しく、撫でながら言った。


博士、変な、開発のおもちゃで助かった。ありがとう。と心の中で、呟いた。

< 52 / 481 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop