千年の時空を越えて
僕の着物を貸して、彼女がそれを着ているのを、見ているだけで何だか、胸が、くすぐったい。
そんな気持ちを、持ちながら、大部屋に入ると、幹部の人達が、既に、集まっていた。
皆、彼女の顔を見て、ハッと息を飲んでるのがわかる。
まぁ、最初、おいわさんだったわけだから、それからこの顔を見たら、誰でもビックリする。
でも、皆、顔が赤いような・・・。
特に、土方さんには気をつけないと。そんな、勝手にライバル心を持ちながら、尋問が始まる。
まず、近藤さんに名前を聞かれて、彼女は“いわ”と名乗った。その時の、皆の顔が面白かった。
特に、土方さんは、少し、恐怖で顔を引きつかせてた。皆は、偶然だと思ったかもだが、僕は、不信感を募らせる。
他の話もどうにも信じられない。そう思ったのも、やはり僕だけでなく、近藤先生も、土方さんも、僕と、同意見のようだった。
そして、“囲うため”、女中として、働くことになった“おいわさん”。間者かもしれない、要注意人物。でも、これから、一緒に居れるのが少し、嬉しいという気持ちもあった。
そして、部屋。一緒になるのを期待した。だって、寝ている間は、ずっと僕の部屋にいたから・・・。でも、近藤先生が言ったのは、土方さん。
がっかりしていると、彼女が嫌だと言った。
だいたいの女の人は、土方さんが、良いといって土方さんがいつもおいしいところを持って行ってしまう。
恥ずかしそうに、生娘だと宣言した。周りの男達が、どよめいている。
こいつらの毒牙から守らなければ!そして、一緒の部屋になりたい!と、自分の事は、棚に置き、そんな事を、考えていた。
彼女が、この部屋を出た後、
土「多分、アイツの話は、嘘だ。アイツは、限りなく黒に、近い。これから、アイツを、2人態勢で見張る。間者とわかれば情報を聞き出せ。何か、あれば、斬れ。」
皆、頷き、部屋を出た。