千年の時空を越えて
山崎の胸ぐらを掴み、立たせた。
壁に押し付けて、顔の横にドンッと手をついた。そして、顔を鼻が当たるくらいまで近づき少し、上目遣いで、囁いた。
雪「初めまして。山崎様。」
丞「う゛・・・。初めまして。」
雪「天井裏で、何してたんですか?」
丞「い・・いやぁ~散歩。」
雪「へぇ~散歩。んで。それを土方様に報告?」
丞「そうそうって・・・あ。」
なるほどねぇ。そしたら話が、早い。少し、離れて、
雪「山崎様。助けて下さってありがとうございました!」
丞「え?いやいや、俺はなにも・・・。」
ん?さっきからどこをチラチラと見て・・・?鎖骨見てる?
山崎がチラチラ視線を動かす先には、さっき、男がはだけさせた、着物からデコルテ部分が出ていた。
今度は、山崎さんの忍の服の上から山崎の鎖骨をゆっくりなぞりながら上目遣いで、
雪「鎖骨好きなんですか?」
と聞いてみた。
丞「う、うん。特に、君の鎖骨は・・・。」
雪「じゃあ、助けてもらったお礼しないと・・・。」
と妖艶な雰囲気を醸し出して誘うように山崎を、見つめた。
山崎の顔を、自分の鎖骨の上にそっと誘導した。
すると、ちゅちゅと音を立てて、鎖骨を吸ってきた。ぎゅっと山崎を抱きしめた。
時空警察学校のカリキュラムには”誘惑”というものがあった。
私はまだ、幼く、意味も解らず苦戦した。
しかも、人にあまり関心がなかった事もあり、こういった人の気を引くカリキュラムをことごとく落第していた。
他のは、コツを掴んだりして何とか出来るようになったが、この”誘惑”は、卒業間近でお情けで単位を貰った。
時空警察になってからもそれの補修が続き、特別部隊に行ってからも、補修を続けて、最近、やっと、補修から解放されたのだ。