千年の時空を越えて

襖を開けると、おいわさんがいた。


雪「すみません。明日と明後日の2日、お暇を頂きたいのです。後、外出の許可も頂きたくて。」


土「あぁ?お前、立場わかってんのか?間者の疑いある奴に外出なんて誰か許可する?」


雪「では、誰かに、付き添って、頂いても、ダメですか?」


土方さんと近藤さんが顔を見合わせる。


近「わかった。では、山崎を付ける。」


おいわさんがにっこり笑い、ありがとうございます。と部屋を出て行った。


山南さんが、


「良いのですか?」と皆を、代表して聞く。


近藤さんは、真相を突き止めようと言った。


僕は、なんだか、気分が沈んだ。


その夜、どこかに消えてなくなりそうな彼女を強く抱きしめた。


彼女は最初、僕の腕から逃れようとしていたが、最後は、諦めたのか何かを察したのか僕が抱く力を弱めるまで、僕を優しく抱きしめ、背中をさすっていた。
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