イジメ返し ~復讐の連鎖・はじまり~
「ありがとう。でも、今日はそんなにたくさんお金持ってきてないから」
財布に入っている五千円札が真っ先に頭に浮かんだけれど、あたしは首を横に振った。
あたしがそう答えると、ミチルちゃん以外の3人はほんの少しほっとしたように見えた。
4人グループにあたしが入ったら5人になってしまう。
最初から5人グループだったらあたしを快く受け入れてくれたんだろうか?
女は奇数のグループになるのを嫌うのは分かっていたけど、露骨すぎるその態度にちょっぴりうんざりした。
「そっか……。一緒に行きたかったなぁ。あたしお金貸そうか?」
「ううん、大丈夫。また今度一緒に行こう」
「うん!そうしよう」
ミチルちゃんの笑顔に救われたものの、あたしの危機的状況は変わらなかった。