イジメ返し ~復讐の連鎖・はじまり~
男の方は気まずそうにあたしに背中を向けてタオルケットをすっぽり頭まで被った。
「お母さん、昨日お米切れちゃったんだけどどうする?」
「えー、今その話~?ヒカリは適当に何か食べてよ」
「だからさ、お米がないの。適当に食べるものがないから聞いてるんでしょ」
「嘘~。この間買ったカップラーメンは?」
「とっくになくなったよ」
「えー、そんなこといってお母さんを困らせないで。あっ、そうだ。ヒカリの友達にお金持ちの子がいたでしょ?愛海ちゃん……だっけ?あの子に何か食べさせてもらったら?」
普通……親が人にたかるれって言う?
「分かった、そうする」
あたしは母の寝室の扉をバタンッと力いっぱい締めると夜の街に繰り出した。