イジメ返し ~復讐の連鎖・はじまり~
いつの間にかサイレンの音が聞こえなくなっていた。
カンカンカンッと誰かが階段を駆け上がってくる音がする。
「こんばんは。山田さん。山田さんいらっしゃいますかー?××県警です!山田さん!!」
バンバンっと扉を叩く音がする。
虚ろな目でスマホを見つながら指を動かす。
「山田さん!!いるのは分かってるんです!!ここを開けてください!!」
あたしの自由もあと数分か。
ようやく手に入れた自由をまた奪われるのか……――。
フローリングの床にごろんと仰向けに寝転ぶ。