イジメ返し ~復讐の連鎖・はじまり~
『やべーーーー!!ブタゴリラの背中に腕回ってねぇじゃん!!』
『ぎゃはははは!!女力士超強ぇーー!!全然動かねぇ~!!』
男子が不快な声を上げて笑う。
その声に怒りが込み上げ、あたしは目の前にいる貧弱ないじめられっこの胸を両手で押し返した。
いじめられっこはその衝撃でそのまま廊下にしりもちをつく。
その瞬間、何かが頭の中で音を立てて崩れた。
そして、今までのちりに積もった不満がマグマのように頭の中で爆発を起こし、カーッと熱くなった。
あたしはいじめられっこの横を通り過ぎ、この相撲をしろと煽った村上拓の元へ歩み寄った。
『えっ……なんだよ、お前。やんのか?』
驚いたように目を見開く拓めがけて、あたしは思いっきり拳を叩き込んだ。