イジメ返し ~復讐の連鎖・はじまり~

拳は正確に奴のアゴを捕えた。


そのままその場に仰向けにひっくり返った拓に馬乗りになると、あたしは再び拳を振り下す。


『やめろ……――!!』


『……――テメェ、よくも散々ののしってくれたな……!?ぶっ殺されたいのか!あたしはブタゴリラなんかじゃない!!』


大声で叫びながら何度もたたきつけると、拓は口の端から血を流し白目をむいた。


シーンっと静まり返る廊下。


『ヤバくない……?』


『先生呼んでくる?』


さっきまで楽しそうにしていたやじ馬達がザワザワと騒がしくなる。


あたしが廊下で相撲させられているときは、誰一人先生を呼ぶなんて言わなかったくせに。


こいつらまとめてブッ飛ばしたやろうか……。


ギリギリと奥歯を噛んで周りのやじ馬を睨みつけた時、一人の女子生徒と目が合った。


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