イジメ返し ~復讐の連鎖・はじまり~
けれど、それは突然やってきた。
「『ブタゴリラ』ってなに?どういう時に使うの?」
休み時間、耳に届いた嫌な単語。
パッと声のする方向へ目をやると、カンナが首を傾げて新村に尋ねていた。
「豚とかゴリラみたいに、太っててあんまり見た目が可愛くない子につけるあだ名みたいなもの」
「へぇ~、そうなんだ。このクラスであだ名をつけるとしたら誰?」
「ふふふっ、そりゃもちろん荒野さんじゃない?『ブタゴリラ』なんて言葉、荒野さんのためにできたようなものだし」
は?ナメんのもいい加減にしろよ。
笑いながら話す新村に体中からカーッと熱く煮えたぎった感情がわきあがり、あたしは机の上にあるペンケースを掴み二人のいる方にぶん投げた。