イジメ返し ~復讐の連鎖・はじまり~

机の上には【新村楓子】と名前の付いた油のフタが開き、フタと筆は床の上に転がっている。


……トイレに行っている間にやられた。


急いでフタと筆を拾い上げると同時に、荒野千代が目の前に現れた。


「どうしたの?あー、つーか、油開けんなってさっき先生に言われたのに開けちゃったのかよー」


千代が顔の肉に埋まった小さな目を更に細くして意地の悪い笑みを浮かべる。


「あたし……やってない……」


「えー?何?そんな蚊の鳴くような声じゃ聞こえねーよ」


千代は右耳の後ろに手を当てて聞こえないというポーズをとる。

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