イジメ返し ~復讐の連鎖・はじまり~
「きゃっ……――」
その反動で体は右側に傾き、まだフタをしていなかった油が飛び出した。
その油はあたしのすぐそばにいた数人の生徒のキャンバスや制服、髪や道具にかかってしまった。
ヤバい。
手がブルブルと震えて、「ごめん」と謝ることもできずに立ち尽くすあたしに一斉に非難の声があがった。
「ちょっと!!何すんのよ!!」
「あーー、もう。最悪!!髪濡れたんだけど!!」
「くさーい!!あたし今日放課後用事あるのに、こんな油の匂いついてたらいけないじゃん!!」
あちこちから大声で攻め立てられてどうしたらいいのか分からない。