イジメ返し ~復讐の連鎖・はじまり~
すると、ガシッと腕を掴まれた。
「石川、アンタ何勝手なことしてんの?」
「やめて……お願いだから離して……」
「嫌」
少しでもバランスを崩せば、足元から滑り落ちてしまう。
あたしは必死になって新村に謝った。
「今まで……ごめんなさい。反省してる……。それにあたしがもしもここから落ちて死んだら……シュンが一人ぼっちになっちゃうの……。父は会社が倒産して借金まみれになって母はうつ病で寝たきり。もうあたしには何もない。あたしのこと、十分苦しめたでしょ?」
「どうだろうね?あたしの屈辱はこんなものじゃないよ。仕返ししてもしてもしたりないぐらいの想いをしたの」
「本当にごめん。今まであたしがバカだった……」
それは心の底からの言葉だった。