イジメ返し ~復讐の連鎖・はじまり~

「ごめんね。本当にごめんね……――」


制服のスカートに油がついてしまった子に謝りながら、油をタオルで拭うとその子はあたしをキツイ目で睨みつけた。


そして、彼女はあたしの手をパッと振り払った。


「汚い!!アンタ、さっきトイレ行ったんじゃないの!?トイレ行って手を拭いたタオルであたしのスカート拭くとかありえないんだけど!!ふざけんな!!」


「ご、ごめん……」


「本当に謝る気あんの!?あー、マジムカつく!!」


謝ることと、油で汚れてしまった部分を掃除することしかできないあたし。


「……――みんな、ちゃんとやってた?」


困り果ててタオルを片手にうつむいた時、美術室に先生が戻ってきた。
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