イジメ返し ~復讐の連鎖・はじまり~
「それがね、パパが怒っちゃたの~。今回はやりすぎだからフォローできないって。だからごめんね、楓子ちゃん」
ニコリと笑ったカンナ。
その笑顔の意味に気付いた途端、体中に鳥肌が立った。
嘘だ……。
そんな……最後の最後にカンナに裏切られるはずがない。
「だ、大丈夫……。それなら、あたしが何とかするから。とりあえず屋上から出ようよ。ねっ?」
カンナはバカだ。
うまく言いくるめればきっと考え直してくれるはずだ。
そう思ったものの、カンナは首を横に振った。
「お願い、死んでねっ?」
キャッキャとはしゃぐように言うカンナ。
「嫌だ……――。ミチルちゃん……ミチルちゃん……助けて!!」
そうだ。今ならまだ助かる。
ミチルちゃんにカンナを止めてもらうしかない。