イジメ返し ~復讐の連鎖・はじまり~

「それがね、パパが怒っちゃたの~。今回はやりすぎだからフォローできないって。だからごめんね、楓子ちゃん」


ニコリと笑ったカンナ。


その笑顔の意味に気付いた途端、体中に鳥肌が立った。


嘘だ……。


そんな……最後の最後にカンナに裏切られるはずがない。


「だ、大丈夫……。それなら、あたしが何とかするから。とりあえず屋上から出ようよ。ねっ?」


カンナはバカだ。


うまく言いくるめればきっと考え直してくれるはずだ。


そう思ったものの、カンナは首を横に振った。


「お願い、死んでねっ?」


キャッキャとはしゃぐように言うカンナ。


「嫌だ……――。ミチルちゃん……ミチルちゃん……助けて!!」


そうだ。今ならまだ助かる。


ミチルちゃんにカンナを止めてもらうしかない。


< 408 / 415 >

この作品をシェア

pagetop