3つ星物語
「いくよー。ぐるぐる、ぐるぐる」
 
玖生の掛け声で、私たちは、かごめかごめのようにぐるぐると回った。

「誰が誰でしょう~」
 
玖生が云い、私たちのモーションはストップし、横一列に並んだ。

「おー。わっかんねえな。見事だ」
 
大地くんが腕組みをして苦笑いをする。
 
そりゃ解らないでしょうよ。私たちは顔カタチだけでなく、髪型や制服まで一緒なんだから――私は胸のうちで呟く。
 
やれやれ、と私はため息をついた。その刹那――。
 
ぐいっと腕を引かれた。

「紗生だ」
 
森村くんが勝ち誇ったように唇の端を上げて笑う。
 
私は驚いて目をぱちくりとさせた。

「紗生だろ?」

「あ……うん」

「当たった」
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