3つ星物語
『天文部のサイトウサチエさん、至急1-Bの教室までいらして下さい。繰り返します、天文部のサイトウサチエさん――』
私は呼び出しをひとつ終えると、森村くんからまた呼び出し表を受け取る。
今度は3-Bのお化け屋敷のアピール放送だった。タイムサービスでお化け10%増量中、だと変なタイムサービスだと私は思いつつも、アナウンスをする。
私の声がこんな水道の蛇口みたいなマイク一本で全校に響くなんて妙なものだ。
もっと妙なのは、この場所に私と森村くんが2人きりでいることなのだけれども。
ぷちっと放送の電源をOFFにした。私はちらりと彼を見遣る。
どうやらアナウンスの依頼は途切れたらしい。
「せっかくの文化祭なのにね。こんな裏方やってんだぁ」
彼は背伸びをして云う。長い肢体がさらに長くなる。
「別に。見て回りたい展示もないし。学校抜け出して映画でも見にいきたいわ」
淡々と私が答えると、森村くんはどかっと脚を投げ出し、脚を組んで笑った。
「あはははっ。学校フケるってか。玖生みたいなこと言ってらぁ」
「玖生と一緒にされるとは心外だわ」
私は呼び出しをひとつ終えると、森村くんからまた呼び出し表を受け取る。
今度は3-Bのお化け屋敷のアピール放送だった。タイムサービスでお化け10%増量中、だと変なタイムサービスだと私は思いつつも、アナウンスをする。
私の声がこんな水道の蛇口みたいなマイク一本で全校に響くなんて妙なものだ。
もっと妙なのは、この場所に私と森村くんが2人きりでいることなのだけれども。
ぷちっと放送の電源をOFFにした。私はちらりと彼を見遣る。
どうやらアナウンスの依頼は途切れたらしい。
「せっかくの文化祭なのにね。こんな裏方やってんだぁ」
彼は背伸びをして云う。長い肢体がさらに長くなる。
「別に。見て回りたい展示もないし。学校抜け出して映画でも見にいきたいわ」
淡々と私が答えると、森村くんはどかっと脚を投げ出し、脚を組んで笑った。
「あはははっ。学校フケるってか。玖生みたいなこと言ってらぁ」
「玖生と一緒にされるとは心外だわ」