3つ星物語
いつもの私に戻らないと。いつもの、飄々とした私に。
「いきなりだな。いいよ。俺、玖生と接してみたいと思ってたから」
玖生――初対面なのに、呼び捨てだ。
イケメンなのに、私なんかに興味を示す、変わった奴――。
「私のこと、森村くんから何て聞いてたの?」
私は落ち着きを取り戻し、彼と肩を並べて歩き出した。
何だか初対面な感じがしない。
きっと、私と同じように彼も物怖じしない性格なのだろう。
肌が合う。昔から愛用しているバスタオルのようだ。
「まんま。君が自分で感じてる言動の、まんま」
「そっか。なら気楽だ――君、名前何ていうの?」
「大地」
「大地ね。覚えた」
目鼻立ちが整っていて、どこか気品が漂うのに、草のにおいのする名前だ。
おおらかで、逞しい。
背が高いのに、どこか可愛らしい伊津くんとは対照的な人間だと思った。
伊津くん――彼の影が過ぎって、私はまたチリチリと胸が痛んだ。
私はそれを振り払い、下唇を噛んだ。
「いきなりだな。いいよ。俺、玖生と接してみたいと思ってたから」
玖生――初対面なのに、呼び捨てだ。
イケメンなのに、私なんかに興味を示す、変わった奴――。
「私のこと、森村くんから何て聞いてたの?」
私は落ち着きを取り戻し、彼と肩を並べて歩き出した。
何だか初対面な感じがしない。
きっと、私と同じように彼も物怖じしない性格なのだろう。
肌が合う。昔から愛用しているバスタオルのようだ。
「まんま。君が自分で感じてる言動の、まんま」
「そっか。なら気楽だ――君、名前何ていうの?」
「大地」
「大地ね。覚えた」
目鼻立ちが整っていて、どこか気品が漂うのに、草のにおいのする名前だ。
おおらかで、逞しい。
背が高いのに、どこか可愛らしい伊津くんとは対照的な人間だと思った。
伊津くん――彼の影が過ぎって、私はまたチリチリと胸が痛んだ。
私はそれを振り払い、下唇を噛んだ。