3つ星物語
いつも友だちとカラオケに来る時は、今流行りの曲を歌っていた。
自分の番が来るまで、マイクを持たない人でも楽しめるように。
けれど、今日は歌いたかった歌を選曲した。
イマドキの高校生じゃ知りえない歌なのに、それを大地は好きだという。
ウマが合うじゃん、私たち、とこころの中で思った。
「俺も歌っちゃおうかな。クロサワ」
「今日はクロサワ大会にする?」
「そうすっか。楽しめそうだ」
大地はぴっぴっとカラオケの液晶リモコンを操作した。
すぐさま画面に“EQINOX”と出る。これも私の好きなナンバーだ。こんなマイナーな曲まで知っているとは驚いた。
ゆるくてあたたかな曲。大地の歌声はとても綺麗だった。
芯があり、音程もとれていて、ファルセットも美しい。歌のうまいひとだなと思った。
イマドキの言葉を早口で羅列するような曲とは違った。
改めて、黒沢健一というアーティストを好きだと思った。
そんな感情を大切にしようと思った。
伊津くんに好かれている南生、自分の生きる道を見失わない紗生、彼女らとは違う自分自身を、好きにならなければならない。
同じ顔が3つ揃っていても、私は私なのだ。
自分の番が来るまで、マイクを持たない人でも楽しめるように。
けれど、今日は歌いたかった歌を選曲した。
イマドキの高校生じゃ知りえない歌なのに、それを大地は好きだという。
ウマが合うじゃん、私たち、とこころの中で思った。
「俺も歌っちゃおうかな。クロサワ」
「今日はクロサワ大会にする?」
「そうすっか。楽しめそうだ」
大地はぴっぴっとカラオケの液晶リモコンを操作した。
すぐさま画面に“EQINOX”と出る。これも私の好きなナンバーだ。こんなマイナーな曲まで知っているとは驚いた。
ゆるくてあたたかな曲。大地の歌声はとても綺麗だった。
芯があり、音程もとれていて、ファルセットも美しい。歌のうまいひとだなと思った。
イマドキの言葉を早口で羅列するような曲とは違った。
改めて、黒沢健一というアーティストを好きだと思った。
そんな感情を大切にしようと思った。
伊津くんに好かれている南生、自分の生きる道を見失わない紗生、彼女らとは違う自分自身を、好きにならなければならない。
同じ顔が3つ揃っていても、私は私なのだ。