3つ星物語
玖生がまた手づかみでガトーショコラを口に放り投げる。
私は帰宅してからもずっと、昼間直哉くんに近寄ってきたあの2人のことを根に持っていた。
澱のようなものがこころの瓶の中に張り付いて剥がれないのだ。
玖生は大地くんとハンバーガー、紗生は森村くんとファミレスでそれぞれ夕食を済ませてきたらしい。
私はお母さんが用意してくれていたコロッケがあったけれど、とても口にできるような状況じゃなかった。
「……まあ、気持ちは解らなくもないけれど」
紗生が同意してくれる。
「でしょう? 私、直哉くんが他のひとを好きになったらどうしようって、気が気じゃないのよ」
「南生は食べないの?」
私の心情にあまり寄り添っていない玖生が尋ねてきた。いらないわ、と私は首を左右に振った。
「結婚しちゃえば?」
私は帰宅してからもずっと、昼間直哉くんに近寄ってきたあの2人のことを根に持っていた。
澱のようなものがこころの瓶の中に張り付いて剥がれないのだ。
玖生は大地くんとハンバーガー、紗生は森村くんとファミレスでそれぞれ夕食を済ませてきたらしい。
私はお母さんが用意してくれていたコロッケがあったけれど、とても口にできるような状況じゃなかった。
「……まあ、気持ちは解らなくもないけれど」
紗生が同意してくれる。
「でしょう? 私、直哉くんが他のひとを好きになったらどうしようって、気が気じゃないのよ」
「南生は食べないの?」
私の心情にあまり寄り添っていない玖生が尋ねてきた。いらないわ、と私は首を左右に振った。
「結婚しちゃえば?」