3つ星物語
「血は止まったみたいだな。ほれ、次は手だ。出して」
私は無言で血まみれの手を差し出した。
「せっかくのネイルが血で染まってるよ」
大地はかいがいしく私を綺麗にしてくれる。まずは爪先から血を落としてくれた。
大地の水色のハンカチに、私の紅が付着する。申し訳ない。
大地は丁寧に優しく、まるでガラス細工を扱うかのように拭ってくれている。
「宝石みたいな爪だな」
その姿を現した私の指先に、彼は嬉しいことを言ってくる。
「そうなの! 宝石みたいでしょ。だから私、ネイルが好きなの」
恐縮していて無言だった私から、やっといつもの私に戻って声を発した。
「ピンクが好きなのか? ……そのうち、本物買ってやるよ」
「何を?」
「ローズクオーツ? ピンクダイヤ? 宝石(いし)つきの指輪だよ」
「本物の宝石?」
「そうさ。本物の。それとも鼻血色のルビーとか? ははは」
私は無言で血まみれの手を差し出した。
「せっかくのネイルが血で染まってるよ」
大地はかいがいしく私を綺麗にしてくれる。まずは爪先から血を落としてくれた。
大地の水色のハンカチに、私の紅が付着する。申し訳ない。
大地は丁寧に優しく、まるでガラス細工を扱うかのように拭ってくれている。
「宝石みたいな爪だな」
その姿を現した私の指先に、彼は嬉しいことを言ってくる。
「そうなの! 宝石みたいでしょ。だから私、ネイルが好きなの」
恐縮していて無言だった私から、やっといつもの私に戻って声を発した。
「ピンクが好きなのか? ……そのうち、本物買ってやるよ」
「何を?」
「ローズクオーツ? ピンクダイヤ? 宝石(いし)つきの指輪だよ」
「本物の宝石?」
「そうさ。本物の。それとも鼻血色のルビーとか? ははは」