続・元殺し屋と、殺し屋
本当、2人には感謝してる。
俺は1時間目の授業をサボろうと決め、教室を出た。
向かった先は、立ち入り禁止の屋上。
誰もいないのを確認し、ピッキングで開ける。
これぐらい、朝飯前。
ムカつくぐらい晴れ渡った空。
寝ようと思い目を閉じても、思い浮かぶのは彼女の顔。
…こんなにも好きなんだ、俺。
知紗のこと。
あんなことされたのに諦めきれないなんて。
未練タラタラじゃん。
…馬鹿だな、俺。
「…クソッ……」
俺はこぼれ落ちた涙を隠すように、その顔を覆う。
止まることを知らない涙は、コンクリートに吸い込まれていく。
知紗…
俺は今でも、何されても、
知紗のことが好きなんだ…。
好きって言葉じゃ表せない。
俺は…知紗を、愛している。
だから俺は…
…知紗の幸せを、ただ願う。