続・元殺し屋と、殺し屋






中学に入り、部活が始まった。

おれが通う高校は、外で活動をしている奴以外は、部活が義務だった。

おれは外で活動なんてしていないから、部活に入るのが強制的に決められた。

部活を何にしようと迷っていると。



「ねぇ、1人?」



1人の女子生徒が話しかけてきた。

彼女のことは知っている。

同じクラスで、まだ入学して間もないのに、可愛いだ美人だ言われ評判になっている子だ。




「入る部活決まってる?
決まっていなかったら、一緒の部活入ろう?」

「…良いけど」




いつも影が薄く、空気のような扱いをされてきたおれに話しかけてきてくれた唯一の子。

断る理由もないし、おれに話しかけてきてくれたから。

迷いなくオッケーした。




入った部活は、演劇部。

どんな役も演じきれるカノジョは、すぐに主役を取った。

カノジョの相手役を演じたくて、おれも頑張った。

カノジョと一緒の部活に入るため入部した男子の誰よりも、おれは上手くなった。

部内の役決めオーディションでは、カノジョと一緒に主役になった。



カノジョの楽しげな姿を見て、おれは決めた。

カノジョのために生きよう。

カノジョの笑顔を、守っていこう。



おれはカノジョに告白した。

カノジョは当時彼氏がいて、断られた。

でも、良い。

カノジョの傍にいられるのなら。

おれは土下座をして、カノジョの家来になった。

カノジョもおれが言った「何でも願いを叶える」にノッてくれた。








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