続・元殺し屋と、殺し屋






恭真は話を続ける。




「薬を飲ませることによって、知紗は俺を忘れた。
知紗が全てを思いだしたことで、計画は終わった。
だが、忘れていなかったらどうしていたか。

今から話すのは、俺の予想だ。

あのまま知紗が記憶を取り戻さなければ、俺と知紗は別れていた。
知紗は新野と付き合い始める。
そして俺は、関島のモノになるんだ。

今回の計画の予定は、俺を関島のモノにすること。
知紗が記憶を取り戻さなければ、この計画は成功していただろうな」




さっちゃんはフフ…と笑いだした。




「正解だわ恭真クン。
監視カメラで見ていたように、全て合っているわ」

「よくも、そんな自分勝手な計画で知紗の記憶を消したな…」




うわ…恭真怒ってる。

目から出る殺気が、ハンパない……。

大地もさっちゃんも、少なからずビビッているよ。





「…羨ましかったのよ、ちーちゃんが!」



恭真から溢れんばかりの殺気を受けたさっちゃんが、泣きながら言い始めた。




「たった1人に、そこまで愛されるちーちゃんが!
親も友達も何もないくせに、彼氏には愛される。
そんなの…ヒドイわ」

「は?」



さっちゃんに思わず、素っ頓狂な声が出た。






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