続・元殺し屋と、殺し屋
「何があったんだよ、恭真」
神崎に聞かれ、恭真は小さく首を傾げた。
可愛い行動に和んでいると、恭真はヘヘッと笑った。
コロコロ表情が変わって、可愛い。
本当にチサ、恭真が好きだなぁ。
こんな些細な出来事で、幸せになれるんだから。
「内緒。
でも、1つだけ教えてやるよ」
「何だよ」
「俺と知紗は、一生離れられないってこと。
例え知紗が記憶を失っても、俺が必ず思いださせる。
知紗が世界中のどこに居ようとも、
俺が必ず、知紗のこと…見つけ出す!」
かっこいい、思わず世界中の女子赤面間違いなしの台詞を言った恭真は、グイッとチサの手を引っ張って、走り出した。
それを4人が追いかけてくる。
「恭真。
何であんな台詞言えるの?」
「ん?
知紗のこと思えば、スラスラ出てくる」
「…ッ!」
「もっともっと、俺が赤面させてあげるね。
また誰かが知紗を奪いに来ても、俺が守る。
だから…俺の傍にいてね?」
止まった恭真が、再び仔猫みたいな不安そうな顔を見せてくる。
…答えは勿論、決まっているよ。
「勿論だよ恭真!
恭真こそずっとずうっと、チサの傍にいてね!!」
そしてチサたちは。
誰にも見えない体育館の裏で、
そっとキスを交わした。
【2日目~知紗と恭真~ END】